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膺窓(ようそう)穴 [東洋医学]

 今回は久しぶりにツボのお話です。

 前にツボのお話をしたのは、2015年の4月3日ですから随分間が空きましたが、肺経、大腸経、胃経と順を追って紹介してきて、胃経の屋翳(おくえい)穴まで来たので今回は膺窓(ようそう)穴になります。
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 膺とは胸の肉、つまり大胸筋を指します。水平方向に形成された大胸筋の盛り上がった胸骨部と斜め下方向に下部を形成する胸肋部との境目のすぐ下にあたり、内部では心臓の上部、肺も上葉との境目にあります。つまり、運動器たる上肢の動きに合わせてしなる胸部と、内部に可動を好まない内臓器がある胸部の境目なのです。
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 ですから、呼吸器や循環器の調子を整える部位でもあり、脊柱側弯や五十肩等にも影響がでる部分です。


 このように非常に重要な場所ですが、肺がすぐ下(内部)にありハリでも事故が起きやすい経穴ですから、一般の方が強く押したりグリグリしたりする簡単なツボ療法には向いていません。何層にも重なっているこの場所の周囲の筋肉や胸膜等のよじれやひきつり、コリを、直接よりむしろ離れた場所から丁寧に外していくことで経絡の流れを取り戻すよう整体しています。

 当院ではむしろ、これ以外の場合でも、グイグイ押したり揉んだりするやり方で経絡やツボの使うことはありません。何故そこにその経絡や経穴(ツボ)があるのかを理解した上で、それを利用するのです。ツボの名前と場所と効能を暗記して、試験に合格しても現場ではほとんど役に立ちません。筋肉がどう重なっているのか、内臓や神経、血管、膜が、どういう役割で、どう付いて、どうつながっているのかを把握して、さらにそれが実際に施術している体ではどうなっているのかを感じることができれば、おのずとそこが重要な療術ポイントで、どういう刺激や圧をかければいいのかがわかるということです。
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このブログについて

 筋トレについての長いブログの後に、何を書こうか考えているうちにちょっと間が空いてしまいました。
 今回改めて、体のことについて普段考えていることを一般の方に伝えることの難しさを実感して、次に何を書くべきか考えあぐねていたのです。


 短く解りやすく書こうとすれば、あまりに表面的なことしか書けませんし、長く本気で書こうとすれば、読みにくいだろうし伝わりにくいだろうしで悩みどころです。
 取引先のいろいろな方からも、「こんなに長く専門的なことを書いても、正直誰もそれを求めてないし、お客さんには読めませんよ」などど言われてしまい、それもそうだなあと、我ながら苦笑するしかありませんでした。


 しかし結局、できるだけ短くできるだけ真摯に書くしかないのだと諦めて、わかりやすく、しかも表面的でないおもしろい情報をおとどけできるよう今後も努力していこうと思い至りました。

 このブログはでは今後も少し本格的な内容を目指します。
 Hot pepeer beauty のブログでは、もう少し気軽な内容を、サブブログでは、看板用に描いているペン画などについて書いていこうと思っています。


 よろしければ次回からもおつきあいください。

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筋トレとは?(その8) [身体の使い方]

 長かった筋トレについてのブログ、今回が最終回となります。

 前回の予告通り、指導者がいない中でも、一般的にどのようにトレーニングを自分で行えばいいかをもっと具体的にお話していきましょう。


 様々なトレーニングの情報が氾濫している現在、どれが自分にあっていて効果的なのか、どれがウソ情報なのか見分けるのは、一般の方にはとても難しいのが現実です。

 そこでここではそのコツを考えてみましょう。それがさらに、選ぶだけでなく正しいトレーニングから踏み外さないコツにもなるはずです


 前回はトレーニングは、本来オーダーメイドであるべきと書きましたが、今回はあえて既製品を使いこなす方法を考えることになります。ただし既製品といっても、洋服にトップス、ボトムス、アウター、インナーがあって、アウターにもコートがあり、ジャケットがあり、コートにもロングコートやPコートがあるように、どこをトレーニングしたいかで、様々なバリエーションがあり、それぞれに様々な発案者が考えたトレーニングがあります。


 かっこいい洋服を着こなしたいと思うのと同じように、筋トレをしようと思っている方は、美しいボディを手に入れたいと考えていることでしょう。かっこいいコートを手に入れても、もし靴もパンツも持っていなければ露出狂のおじさんになってしまいます。まずは基本的な衣服を整える必要があるように、筋トレも体幹の動作とセットになっているメニューから始めることが大切です。
 例えばモモ上げ動作をトレーニングしたいのなら、上げたモモをホールドする体幹がしっかりしていなければなりません。しかも、それを背骨にさせることは簡単ですが、それは筋肉ではありませんので、鍛えることにはならず、椎間板を酷使してすり減らし、背骨の可動を制限することを鍛える運動になってしまうのでアウトです。体幹は縮んで硬くなり、ギックリ腰等の危険に自分から近寄っていく結果になりかねません。
 呼吸の力、軸を作る腹筋、背骨の可動を守るインナーマッスル、モモを上げた状態によって変化する体重の中心軸の前への移動をとらえる感覚、それらも強化しなければ体幹が柔らかさを保った状態でしっかりしないので、注意が必要です。
 このようにメニューを選択したならば次のチェックポイントは自ずと見えてきます。


 次にチェックすべきは、その既製品~トレーニングが雑なつくりじゃないかどうかになります。一見すばらしい洋服でも、縫製や生地をよく観察すると、いいものと悪いものには素人目にもわかる違いがあります。
 トレーニングの場合はフォームについての説明です。モモ上げの例で説明したように、トレーニングの時に体幹を含めた体全体がどのように動くべきかの説明がなければ安物の既製服のようないいかげんなトレーニングだということです。
 大抵の場合どのような体の形で行うのか、細かく書いてあればあるほど、ちゃんと考えられたトレーニングであることが多いのです。動画や写真などで模範を見られることも大切です。また、呼吸の仕方や、どこにどういう力をいれるのかが説明されていることも見分けるポイントになります。
 短く簡単な説明で終わっているものは泣く泣く、あるいは確信犯的に、または不完全な知識で、メディアの担当者や現場の考案者が、トレーニングするあなたのことでなくお金もうけを優先しているものです。

 
 次に洋服なら試着をします。どんなにカッコイイ服でもサイズや体型に合わなければ着ることはできません。
 トレーニングでも上級者向けのものと、調子を崩しやすい方への配慮があるものがあります。まずは、写真や文章で説明されている通りにできるかどうかやってみます。
 一般に公開されている情報なのに、結構難しいことをさせようとしているトレーニングは少なくありません。膝の位置、呼吸を止めない、力を抜くなど、説明通りにはできないと分かった時は、それをすべきではありません。説明されているフォームがどう考えても不可能だと感じても、考案者は不可能とは思っていません。ただしコツがあるのです。そのコツもフォームや力の入れ方に書いてあります。読んでもできないと思った場合は、そのトレーニングはあなたに合っていません。注意書きが5つあったら、5つともできなければやってはいけません。これは言われた通りにはできっこないから一つだけなら・・・等と無視すると、そのトレーニングはあなたのためにならないだけでなく、怪我や不調を呼び込む恐れがあります。

 また、いい指導者が考えたメニューには、指定したフォーム通りにできない場合のシフトダウンしたメニューが紹介されていることが多いです。あなたに合ったメニューでトレーニングしましょう。かえってその方が効果がでます。無理をして欲張っては得るものが無いばかりか失うものが大きくなります。
 調子を崩しやすい方への配慮があるものは着やすい洋服のように、一見カッコよさは劣るかもしれません。でもいい服は着てみると思ったよりその人を引き立ててくれます。このようなトレーニングの場合、かっこいい達成感は自己満足にしかならないのです。達成感の中で感じた負荷は、単なる不調を呼び込むストレスに変質します。
 

 また、説明通りやっているはずなのに調子を崩してしまった場合は、もう一度よく説明を読んで写真や動画の姿と自分の姿を鏡や動画で見比べてみましょう。違いを見つけて修正できなければ、やはりそのトレーニングは中止すべきです。トレーニングの考案者の考えが伝わらなかったか、そもそも考案者が未熟で自分の体のポテンシャルに知らず知らずに甘えているのに気づいてないのかもしれません。考案者がたくさんの人を相手に、その人の立場に立って指導している経験があればあるほど、フォームについての説明が細かくなるはずです。
 筋トレについて紹介する仕事をするような運動が得意な人が、知らず知らず無意識に守っている体のパワーを持っていない方は、注意しなければ怪我をする可能性があるのです。

 どうしてもそのトレーニングがしたい場合は、いい指導者にうまくいかない理由を教えてもらうべきです。それでは結局オーダーメイドになっていってしまいますが・・・。

 
 いかがでしたでしょうか?筋トレについて気軽に書いてみようと思って始めたら、こんなに長い続き物になってしまいました。最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。次回からはもっと気軽に読めるものを書いていきたいと思っています。

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筋トレとは?(その7)  [身体の使い方]

 筋トレについてのブログ、続けます。

 前回の最後の部分

 「たくさんの筋肉の中から、トレーニングの目的にあった正しい筋肉を選び(その1)(その2)、無駄な力を抜いて正しいフォームで(その3)、また、力を抜いたいいフォームになるためにも自力だけに頼らず、特に地球の重力と正しい関係をもって(その4)(その5)(その6)、背骨のロックを避けて攻めの筋力で(その6)、筋トレをすればよいというところまできました。」

 を踏まえて進めていきます。

 
 今回は具体的な例として、整体の現場で、リクエストにお応えしたりこちらから提案する形でお勧めする、オーダーメイドの筋トレについてお話します。

 整体に来られる方は皆さん調子を崩されている方ばかりです。つまり前回のブログに書いた、背骨にロックが非常にかかりやすい状態の方が来られています。それどころか、多くの場合痛みに襲われることを避けたいあまり、背骨に守られている安心感が無いと体を動かせないと、意識的に、もしくは無意識に感じてしまっています。
 また守りに入りながら支えている体は、地球の重力の方向とバランスすることで発生する力に体をゆだねて、無駄な力を抜くということが難しくなっています。


 ですから調子を崩されている方のトレーニングをオーダーメイドで作るときは、まずは体を支えるのにできるだけ力の要らない姿勢で、その方の痛みへの不安要素が発生しにくい体の動作の中でできることをプランニングしなければなりません。


 うまくいけば、提案させていただいたメニューの負荷感の少ない動作に半信半疑なお顔でトレーニングを始めていただくことができ、実は簡単なその動作が筋力強化になって、意外にも体が充分よく動くようになることを実際に感じて信頼してもらうことができます。そして続けることでいい力が入りやすくなり、成功体験の積み重ねで守りの力みが徐々に抜けていきます。


 しかしここでもすぐ問題が発生し始めます。うまくいくと、だんだんそのメニューが物足りなく感じてきます。もっと力を入れたい。もっと負荷をかけたい。今ならできると思い始めた時、フォームが崩れ始めます。体を力を入れて支えながら背骨ブレーキで体を守りながら動くと、ブレーキと戦っている達成感がでてきます。(その3)でも書きましたが、これはいわゆる力みです。たとえ自分の中に達成感はあっても、実際は不調の再発を招きやすいトレーニングに変貌しているのです。
 これはよく起きる現象なので、指導者はトレーニングをよく観察してそのような落とし穴にはまらないよう、導く必要があります。トレーニングをグレードアップするときもやはり、その時点で、体を支えるのにできるだけ力の要らない姿勢で、その方の痛みへの不安要素が発生しにくい体の動作の中でできることを新たにプランニングし直さなければなりません。


 面倒なことですが、調子を崩した方の場合トレーニングは、あまり不用意に行うとかえって不調をこじらせかねません。実際、テレビやラジオ、新聞などで勧められている筋トレを始めた結果、痛みや可動不良を起こして整体院に来院される方が少なくないのです。(これには、その筋トレを勧めた不用意な指導者が悪い場合と、注意すべきことがちゃんと指導されているのに、あまり理解できずに不用意に筋トレをしてしまった場合があります。)


 そんな面倒くさいことはできない。誰もそんな注意してトレーニングしてないように見える。そう思われるかもしれません。確かに年齢や素質、怪我などの履歴の違いによって、背骨が守る力をあまり出さないよう体を使う習慣を維持できる状態の方、感覚が良くて力まずにバランス感覚で体を支えるのが上手な方は、それほど注意しなくてもいいトレーニングを行えます。
 しかし整体院では多くの方が、様々な遺伝も含めた外的要因でその強度に差があっても、背骨にロックがかかり、バランス感覚よりも力で固めることで体を支える習慣を身に着けてしまっています。ですから不調を感じている方は、本来はそれぞれの状態に合わせて、オーダーメイドでトレーニングの計画をたてなければならないのです。


 ただし大抵の場合、オーダーメイドは時間もお金もかかります。もっと気軽にトレーニングしたいと思ってはいけないのでしょうか?
 そこで、次回からは、指導者がいない中でも、一般的にどのようにトレーニングを自分で行えばいいかをもっと具体的にお話していきましょう。

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筋トレとは?(その6) [身体の使い方]

 筋トレについてのブログ、続けていきます。

 地球上の様々な力に対応して生命力を維持している私たちの体をうまく使うには、その力と生命力の調和を感じながら動くことが重要ですが、特に地球の重力との関係が欠かせないため、体の軸をどう作るかを正しく把握する必要があるというところまでお話しました。
 今回はそこからお話しましょう。

 話を解りやすくするために、あえて遠回りをしてまず怪我という現象について考えていきます。


 私達の体は絶えず怪我のリスクに取り囲まれています。どんなに注意しても自分にまったく落ち度がなくても怪我というものは突然襲ってくるものです。様々なストレス下でパフォーマンスすることは、怪我のリスクに自ら近づいていくようなものかもしれません。それは運動をすることだけでなく、長時間座り続けてパソコン作業をすることも、体にかかる負担という意味では同様の強いストレス下にさらされているということです。
 それでも私たちの多くは、進んでリスクを選びます。夢を実現したい。家族を養いたい。趣味を楽しみたい。それでこそ人生だと思って挑み続けるのです。この前向きな気持ちでリスクに挑んでいると、時に襲ってくるのが怪我です。

 怪我をすると誰しもそこから学ぼうとします。何が愚かだったのか?どうすれば怪我しないで済んだのか?意識レベルだけでなく、この反応は無意識レベルでも起こります。避けようのない事故であるとすれば、後は守るしかありません。


 極端な例はムチウチ症です。自動車事故などの衝撃に、通常の力で耐えられないと体が判断した時、特に骨や筋肉の量が少ない頚椎(背骨の首の部分)は一瞬で動かないようロックをかけます。自動車事故のような強い衝撃をうけた場合この体の反応がなければ、事故死していたケースも多いことでしょう。背骨は守りの要です。背骨があることで、私たちの体は致命的なダメージから逃れることができます。
 長時間体の許容範囲を超えるまで無理に座り続けたり、無理な荷重を受け止めることになると、腰は時にギックリ腰という現象で腰にロックをかけて守ってくれます。首だけでなく、守るという背骨の重要な仕事は腰にも必要になりやすいものです。

 問題は、リスクが去った後です。ロックのかかった体は以前のようには動かなくなります。これが怪我から学んだ教訓です。「動かなければ怪我をしない。」意識レベルでも、無意識レベルでも以前のようには体は動かなくなるものです。

 スポーツの世界でもよく大きな怪我の後、それまでのように体が動かなくってしまう選手が少なくありません。無邪気にリスクを冒して攻めにいったころの調子を取り戻すのは難しくなるものです。それが怪我の後遺症の中の大きな要素のひとつです。


 さて今日の本題の軸の話にもどりましょう。なぜ怪我の話をしたかというと、背骨が背中にあるからです。そして守りの要だからです。

 背骨に体を支える役割を与えれば与えるほど体は守りに入ります。赤ちゃんが世界に無邪気な瞳で歩き出したころの柔らかい体は、大人になるにしたがって多かれ少なかれ失っていきます。怪我の後遺症の時と同様に、ストレスや疲れの中で背骨が体を守らなければ乗り切れないことを経験してきた大人は、硬い体で守りながら動いていくことを学びます。これは大人になって体が重くなる原因でもあります。

 一方で地球の重力は地球の中心に向かって、地表面と直角方向に体を引っ張るので、立っている人は、もしその方向に体の水平方向の重さの中心軸を重ね合わせられれば力を抜いても立ち続けていることができます。机の上に鉛筆を垂直に立てる遊びをしたことはありませんか?うまく真っすぐ立てられれば手を放しても鉛筆は倒れません。それと同じです。
 そして体を支える軸は体幹では重さの中心軸のあるお腹に作らなければ体は傾きます。背中に軸を作れば必然的に力で支えなければなりません。傾いた鉛筆同様です。
 大人になって背骨を使って守りながら支えている体が重くなる原因はここにもあります。補助輪という転倒から守る仕組みが付いた自転車よりも、バランスだけで支える補助輪を外した自転車の方が軽やかなのと同じです。


 背骨に支えてもらうと頼りになるしリスク回避の安心感があります。筋肉も少し楽になる気がしますが、背骨は背中にあるので体は後ろに傾きます。傾いた体は地球の重力と戦い続けなければなりません。自分では猫背になったり、反り返ったりすると安心だしとてもリラックスしていると思っていても、実は背骨は重力と戦ってロックをかけるよう力をいれ続けているのです。その証拠にダラッと力を抜けば抜くほど体は重く、動きにくくなります。
 そして後ろに傾いた体は守りには適しています。腰が引けているという表現を聞いたことはありませんか?しかし人間は原則として前に向かってパフォーマンスする生き物です。腰が引けて後ろに傾いた体は地球の重力と戦うために、パフォーマンスにもブレーキをかけます。
 それなら背骨ごと前に体を傾ければどうでしょうか?腹部や胸部を背骨~背中に乗せて後ろ向きに反っているときは背骨は得意な守る仕事をすればいいだけです。自動車事故の衝撃にも負けないパワーを遺憾なく発揮できます。ただし背骨は攻めに行くことがとても不得意です。守っている背骨を前に傾けて軸に近づければ、体は守りにくくなり、ますます背骨は守る力を強めることになります。
 これが腰痛の人が前かがみになれなくなる原因です。

 大人になって体が重くなる前は、軸はお腹にあります。これがいわばデフォルトです。体の仕組みが解れば解るほど、はじめからそう設計されていることが見えてきます。背骨が守らなければならないのは、体にとっての緊急事態です。緊急事態に頻繁に晒される強いストレス下にある人は、体が戒厳令を敷かなくても緊急事態を乗り切れるよう筋肉を強化する必要があります。それができれば、デフォルトのまま柔らかくて強い人になれます。大相撲の力士のように、バレエのトップダンサーのように。

 彼らは自動車事故のようなぶつかり合いを日常にしても、体にロックがかからないように鍛えています。無理な姿勢を、美しさや表現の極限まで突き詰めて力強く、そして柔らかくパフォーマンスできるようトレーニングしています。

 彼らだけでなく、多くのトップアスリート達は、ロックがかかりにくい動きやすい体とストレスに負けない強さの両立を求めてトレーニングしています。

 彼らにはフォームがあります。フォームがしっかりしていれば、鍛えるための体への負荷に対して守りのロックの力を使わないで筋力をアップさせることができるのです。
 そのフォームの要とは、地球の重力から自由になること。つまり手を放しても倒れない鉛筆のように軸を維持する「体の仕組み」と、「攻めの筋力」です。
 
 長い続き物のこの筋トレについてのお話が、ようやくまとまってきました。

 たくさんの筋肉の中から、トレーニングの目的にあった正しい筋肉を選び(その1)(その2)、無駄な力を抜いて正しいフォームで(その3)、また、力を抜いたいいフォームになるためにも自力だけに頼らず、特に地球の重力と正しい関係をもって(その4)(その5)(その6)、背骨のロックを避けて攻めの筋力で(その6)、筋トレをすればよいというところまできました。

 今回も長くなりましたので続きはまた次回。
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筋トレとは?(その5) [身体の使い方]

 筋トレについて、予告させていただいたように非常に長い続きもののブログになっていますが、もう少しお付き合いください。

 さて前回では、筋トレという負荷をかけられようとしている私達の水分を多量に含んだ体が、ゼロからのスタートではなく、そもそも地球の重力という圧倒的な負荷を跳ね返す奇跡的な力と共にあり、それを侵害しないだけでなく、それが最適に働くような基本姿勢からはじまらなければならないというところまでお話しました。

 そこで今回は、その奇跡的な力とどう付き合うかについて説明する必要がでてきました。


 ここまで付き合ってきていただいておそらく、「あ~、もう理屈っぽくてつきあってらんない!筋トレなんてそんな理屈でするもんじゃないでしょ!」と思い始めてる方も少なくないでしょう。


 実はその通りです。ここからは理屈ではなく感覚の話になってきます。


 東洋の武道や武術、ヨガや太極拳等の体操、体術をともなう修行、行法には、必ず瞑想がつきものです。体をうまく操ることと、感覚を研ぎ澄ますことができる瞑想は、とても親和性があるのです。それは、意識と無意識が一体となる感覚でもあります。古来より、武術や行法の達人がたどり着いた境地から瞑想の重要性が現在にも伝わっているのでしょう。

 ここでもまた、「え~?瞑想?そんなめんどくさいこと部活でもジムでも誰もやってなかったよ!」と、思われる方がおられることでしょう。

 確かにいちいち瞑想なんかしなくても、スッといいトレーニングに入れる方も少なくありません。いわゆる運動神経がいい人は、すぐれた感覚とともに動くのが当たり前である場合が多いでしょう。しかしそんな方も負荷が強すぎたり、怪我などで感覚の基準値が知らずにずれ始めたりすることで、不調に陥る場合があります。 
 スランプから抜け出せなかったり、記録が伸び悩んでいるトップアスリート達が本気で瞑想に取り組む姿を見たことはありませんか?


 しかし、ここで私は瞑想を無理にオススメするつもりもありません。瞑想は究極のパフォーマンスを目指すにはオススメですが、気軽な筋トレにはあまり向かないでしょう。
 様々な感覚が、私たちの体を使うのに大切ではありますが、今日最初に書いたように中でも地球の重力が最も影響力があるのですから、それを感じて動くことが第一歩になるのです。
 そのためには、体の軸の感覚が大事です。

 軸をどう作るか?それがフォームの第一の重要事項です。

 次回はそこからお話します。
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筋トレとは?(その4) [身体の使い方]

 先週は忙しすぎて、この長いブログを書く時間も気力もなく、Twitterやサブブログの短い投稿しかできませんでしたが、今日こそ更新しようと思っています。

 さて、トレーニングでは、できるだけ無駄な力を入れないよう気を付ける必要があって、そのためにもまず始めの基本姿勢~フォームが大切であるということまでお話してきました。そして今回はどのように力を抜いていけばよいのか、どのような方法~フォームで体に負荷をかけつつ、無駄な力を抜いて、良い力だけを入れるトレーニングをすればいいのかをお話ししすることになっていました。


 まず考えなければならないことは、私たちは常に、地球の絶対的な重力の支配下に生きているということです。また、私たちの体は水分をたっぷり含んでいるのにもかかわらず(水中で生きるのをやめて陸上で暮らすことを選んだため)、液体の水分の無い大気の中でこの体の形を保ち続けなくてはならないのです。うどんやそばで40~50%のところ、成人で65%の水分比率の体ですから、150~170cmの人間の形のうどんやそばを大気中に立たせておくと考えてみてください。あるいは、道端にうどんやそばで出来た実物大の人間のフィギュアが支えも無しで立っていたらどうでしょう?
 いかに私達が生きているということに何らかの奇跡的な特殊な力が必要であるということが判るのではないかと思います。


 では力を抜くとはどういうことでしょう。このように生き続けるだけで奇跡的な力が必要であるにもかかわらず、「できるだけ力を抜いて」というトレーニングの指導は何を意味しているのでしょうか?

 それは無意識に沸き起こっている奇跡的な特殊な力をうまく使って、意識がコントロールする単純でわかりやすい無駄な力をできるだけ抜いてという意味かもしれません。


 私たちの骨格や肉体の柱・壁力、骨格を繋ぐ靭帯や腱の張力、循環器の内圧力、呼吸器の風力、消化器の破壊・吸収力、泌尿器の水分調整力、皮膚の保水力など、生きている私達ならではのこれらの力こそ、生きてる限り決して止まることのない奇跡の力です。

 トレーニングという、体に降りかかってくる負荷を払いのけるのに、これらの奇跡の力が最適に働く形がそれぞれの負荷に対応した基本姿勢~フォームなのです。

 次回はさらに詳しくそのメカニズムを見ていきましょう。
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筋トレとは?(その3) [身体の使い方]

 今回も筋トレ特集の続きです。

 前回たどり着いた結論は、私たちが普通体力増進の目的などで行う筋トレとは

「遅筋~ゆっくり動いて収縮力は弱いが持久力がある、どちらかというと、スジとか靭帯とかに近い白い筋肉を強化する。息は止めないで、体がブレる状態を維持したまま使うやり方を強化する。」

のようなものであるということでした。


 トレーニングを始めるにあたっては、まず始めの基本姿勢が重要です。スポーツや武道はもちろん、楽器演奏や書道、声楽、ダンス、舞踊等、体を使うパフォーマンスにも必ず何らかの型(形)とかフォーム(基本姿勢)があります。それらは、普通うまく取り入れるとパフォーマンスが良くなり、怪我しにくくなるものです。同様に各種の筋トレやストレッチにも、それぞれ良いフォームのようなものがあるのです。

 どんなトレーニングでも良い指導書には、必ず間違えたフォームへの注意があります。良い紹介動画にも、必ず間違えたフォームへの注意があります。良い教室では、良い指導者が細かくフォームのチェックをします。逆に言えばそれをあまりチェックしなかったり、間違えたフォームを教えようとする指導者や指導書には注意が必要です。

 今回は何故そのようなフォーム~基本姿勢が大切なのかについてもうすこし詳しくお話しましょう。


 トレーニングを始めるということは、私たちはこれから体を動かすということです。体を動かすにはまず動かしやすい姿勢になる必要があります。
 簡単に言えばこれこそが基本姿勢になります。

 私たちの目指す目的にあったトレーニングでは、何らかの負荷を課して、体の強度を上げる場合でも、絶対にその負荷を自分の筋肉にさせてはいけないのです。自分の体に自分の筋肉で負荷をかけて、自分の筋肉でそれに打ち勝つトレーニングをしてしまうと当然ですが、すぐに疲れます。あまり強く長くやると怪我につながります。
 これは言わばブレーキをかけたままアクセルを踏む行為です。火炎放射器のスイッチを押しながら消化活動をする行為です。
 特別な場合のトレーニング以外ではやってはいけません。

 ところが意外と、自分から好んでこれをやってしまう方が少なくないのです。
 何故かというと、短時間で成果を上げたい理由などで、できるだけ早く達成感を得ようと考えがちだからです。疲れれば疲れるほどいいトレーニングをしたと思えるからです。
 ストレッチでは、伸ばしたい筋肉に力を入れて、伸ばそうとします。頑張った感はでますが、あまり体は柔らかくなりません。何故なら力を入れればその筋肉はかならず縮むからです。縮めておいて伸ばそうとすれば、達成感はありますが、入れた力は互いに打ち消しあい、大切な関節の靭帯等に無駄な負担をかけてしまいます。もし柔らかくなったとしたらその時は靭帯や腱の破壊が始まった時かもしれません。
 特に女性の体は靭帯等が柔らかく、無理が効いてしまうので注意が必要です。実際にそのようなトレーニングのしすぎで、体を壊した元ヨガの先生が整体院に来られたこともあります。
 
 また、トレーニングは体に普段の動かし方を覚えこませる練習でもあります。
 早く疲れるトレーニングをすればするほど、早く疲れやすい体になってしまいます。これは私たちの目的に合ったトレーニングではありません。


 さて、このような場合、良い指導者がよく口にするのが、「力(りき)みすぎ」というワードだったりします。もっと無駄な力を抜いてくださいと指導されるかもしれません。
 これから力を入れてトレーニングをしようと思っているのに力を抜いてと言われると、とまどう方も少なくないでしょう。
 そこで役に立つのがフォーム、基本姿勢なのです。

 では、次回はどのように力を抜いていけばよいのか、どのような方法~フォームで体に負荷をかけつつ、無駄な力を抜いて、良い力だけを入れるトレーニングをすればいいのかをお話しします。

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今週は忙しくて新しい絵が描けませんでした。去年の冬の絵ですみません。



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筋トレとは?(その2) [身体の使い方]

 前回から、筋トレについて書いています。今回はその続きです。

 体には役割や作用の違う様々な筋肉があり、同じ筋肉を動かすにも使い方~力の入れ方によって様々なバリエーションがあるということをお話しました。

 今回はもっと具体的にお話してみましょう。

 まず、トレーニングを何のためにするか?これを第一に考えなければなりません。目的に合わせて筋肉をトレーニングしなければ意味がありません。目的に合った役割の筋肉を鍛え、目的に合った動かし方が強くできるようにトレーニングしなければ何の効果も生まないばかりか逆効果になります。

 短距離のダッシュを強化したいのか?長距離のランニングを強化したいのか?ジャンプ力を強化したいのか?ウェイトリフティングしたいのか?登山の能力を上げたいのか?サッカーボールのキック力を上げたいのか?サッカーボールを細かく器用にドリブルしたいのか?
 太腿の筋肉を鍛えるにしても当たり前ですがそれぞれトレーニング方法はまったく違います。

 しかしこのブログを読んでいる方のほとんどは、健康増進とか、長生きしたいとか、疲れにくい体になる(基礎体力増進)とか、腰痛予防とか、ダイエット等のためにトレーニングしようと思っていらっしゃるのではないでしょうか?

 お腹が出たりしないような、骨格に歪みが無いいい姿勢で常にいられて、ちょっとした動作や負荷がかかっても痛みが出ない、そして疲れにくい、いつも呼吸が楽で、血流がよくて体がポカポカして手足の指先も暖かい、それでいて変に熱を持ったりしていない、食欲も適度にあるような体を手に入れることが目的ではありませんか?

 さて、ではこのような目的のためのトレーニングで大切なことは何でしょうか?

 ダッシュ力やジャンプ力を鍛えるためには、速筋といってすばやく強く収縮する、瞬発力が持ち味の筋肉を強化します。息は止めて体ができるだけぶれないように固定してバネのように体を弾くように使うことを強化します。(同時にジャンプでは助走があり、ダッシュでは体を起動させるための筋肉や加速度が出なくなった後の筋肉も鍛えますが、話が込み入るのでここでは触れません)トレーニングが積み重なるにつれて、この筋肉が体の中で強く作用するように変化していきます。瞬発力の筋肉では長い時間を疲れにくく過ごすことはできません。息を止める筋肉は呼吸を楽にすることはありません。バネのような力は腰痛を解消できません。血流を促進しません。

 そんなことはないはず。鍛えれば鍛えるほど強くなるから、とにかく筋肉さえ付ければいいのだと思う方もいるかもしれません。先日桐生選手が100mで9秒98の記録を出しましたが、それにちなんでTBSラジオの「荻上チキ・Session-22」で筑波大学・准教授の谷川聡さんが、最新のトレーニング論を紹介しています。ラジオクラウドで音声が公開されていますのでぜひ聞いてみてください。特に43:00あたりからが参考になります。→ラジオ音声を聞く

 では私達の目的には、この反対を目指すトレーニングが最適かもしれません。遅筋~ゆっくり動いて収縮力は弱いが持久力がある、どちらかというと、スジとか靭帯とかに近い白い筋肉を強化する。息は止めないで、体がブレる状態を維持したまま使うやり方を強化する。

 いかがですか?イメージしにくいかもしれませんが、これが目的に合ったトレーニングなのです。

 では実際にどういう注意をすればこのようなトレーニングができるか次回お話していきましょう。

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筋トレとは? [身体の使い方]

 前回は安易な健康情報に気をつけてと書きました。そこで筋トレについて今回は書いていこうと思います。長いので何回かに分けてご紹介しましょう。
  近年はトレーニングについて科学的な研究が進んでいて、安易なトレーニング方法はしっかりした検証のふるいにかけられて、否定されるようになっています。書店のトレーニングコーナーには素晴らしい本がたくさん並ぶようになりました。
 一方でその時点の本人の体には有効でも、決して普遍的ではない情報を紹介している安易なタレント本がそれより多く並んでいるのも事実です。タレント本ではないのに間違った情報を伝えている困った本もたまに見かけます。
 何が違うのでしょうか?誤解を恐れずに簡単に言うと、体全体と様々な力のバランスをどう考えているか?という点です。

 心臓の筋肉=心筋のような内臓の筋肉は普通は鍛えられませんから、筋トレは主に骨格筋をトレーニングするものです。人体には400本以上の骨格筋が存在します。ひとつひとつ名前が違って、筋肉を使ったときに起こる作用や役割が違います。例えば太ももの筋肉を鍛えると言っても、主なものだけで、前側に4つあるその名も大腿四頭筋、後ろに2つの大腿二頭筋、内側に3つの内転筋があり、他にも薄いあるいは短い、細いけれども重要な筋肉がたくさんあります。
 太ももの筋肉を鍛えるという時、実験室の解剖されたカエルの太腿の筋肉は、一本だけ取り出して観察もできますが、生きている人体では太ももを動かせば、いろいろな筋肉が同時に動きます。
 どれをどのくらいの配分で動かすかによって、まったく違う動きになります。
 また、骨格筋は主に骨と骨の間をつないでいるので、力を入れるとその骨と骨の間の関節が曲がって体が動きます。この時両方の骨が互いに近づくようにするのか?一方を固定してもう一方だけが動くのか?によっても力の入れ方が変わります。

 太ももの筋肉を鍛えれば、健康になるというだけの情報があるとすれば、受け取る人によってまったく違う動きでトレーニングすることになる可能性があるわけです。

 それだけでなく、例えばスクワットのような屈伸運動で太腿の筋肉を鍛える場合でも、足を地につけて主に足だけを固定した状態で屈伸するのか?固定された足と、力を入れて動かないように固定した背骨の間で太腿に力を入れるのか?では、質の違う運動になってしまうのです。さらに息を止める形で呼吸の筋肉を使うのか、息を止めないのか?呼吸にしても主に横隔膜の筋肉を使うのか、主に肋間筋を使うのか?足を固定するにも、足の指で踏ん張るのか、できるだけ足の指の力は使わないで立つのか?チェックポイントはたくさんあります。これらには実際に正解があって、特別な目的がなければしない方がいいトレーニングもあるのです。

 いかに筋肉群を強くするかが、健康のカギであるならば、このようにそれを正しく伝えることは簡単ではないはずなのです。
今日はここまで。また次回に続きます。

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